そもそも論として、
なんで会社は昇格試験なんてものを実施するのでしょうか?
考えたことありますか?
ぼくは「昇格試験」に深ーい憎しみを持っているので、
この問いについて考え抜きました。
まず自分の頭で考えてみよう!結論だけ知りたい人は読み飛ばして!
仮にあなたが従業員50人程度の会社経営者だとします。
これまで人材の登用は昇格試験などやらず、
組織の構成(事業部の数)やマーケットの変化を見ながら柔軟に決めてきました。
「柔軟に」などと格好良く書きましたが、
要はあなたが好き勝手に感覚的に人事を決めてきました。
それで経営上は何も問題はありませんでした。
そんな状況でわざわざ昇格試験なんてやるメリットあるんでしょうか?
実はあるんです!!
そもそも会社は従業員をどうしたいか?
いきなり結論を言うと、
「おカネをかけずに、もっとあくせく働かせたい」
これだけです。
昇格試験をやる4つの目的
目的1: 好き嫌い人事(合否)を隠蔽する
昇格試験がなくて、
昇格する人だけお声がかかっていたら、
好き嫌いで合否決めて登用しているのがあからさまになります。
そうすると、昇格できない人は、
「なんだよ、結局好き嫌いかよ」と文句を言い、
やる気をなくします。
そしてひどい場合はモンスター社員化します。
それでは会社は困るので、昇格試験なんてものモノを設けて、
経営者の意思決定プロセスをブラックボックス化しました。
そうすることで昇格できない従業員のやる気を削がないようにしたのです。
目的2: カネをかけずに社員教育する
通常、社員教育しようとするとおカネがかかります。
研修は業務時間中に実施されるし、
外部講師呼んだらおカネかかるし・・・
一方、昇格試験は会社的にはあまりおカネがかかりません。
「昇格試験やるよー」と概要をアナウンスすれば終わりです。
そして従業員は業務時間外に試験準備をします。
論文やインバスケットの対策も自腹で参考書買ってきて、
休日の時間を使ってやることになります。
昇格試験の導入で消耗するのは従業員の時間とカネ。
以上、
目的3: 従業員同士を比較させ劣等感をあおる
人間は他人と比較し劣等感を抱いてしまう性質があります。
(ぼくも昔は入社同期と比較し、自分の昇進具合を気にしていました。)
会社はわざと差をつけ劣等感を煽り、従業員同士を競争させます。
そうやっておカネをかけずに、より一層あくせく働かせるのです。
仮にですけど、
役職が平社員、管理職、社長の3つしかない会社だったらどうですか?
22歳から40歳前後・・・平社員
40歳以上・・・管理職
となり、40歳前後まで差がつかない超平和なまったり企業となります。
(マジ平和!!!)
因みに前職では下記のように職級が細かーく分かれていました。
初級社員
中級社員
上級社員
主事
参事
理事
経営参与
(ここにあと三つくらいあったけど忘れた)
社長
比較する仕組み、まぁよくできてるわ・・・とあとから感心しました。
目的4: 「えらくなりたい」という執着心を煽る
大半の従業員は「えらくなりたい」と思っています。
正確に言うと「えらくなるのが正義である」と洗脳されています。
昇格試験はえらくなるための
唯一の「分かりやすいチャンス」です。
昇格試験を頻繁に実施することで、
「えらくなりたい気持ち」を煽り続けます。
余談ですけど、
なので出世を放棄したサボリーマンはある意味最強なのです。
まとめ
「会社が昇格試験を実施するホントの目的」について書きました。
それは、
- 好き嫌い合否の隠蔽
- 金のかからない社員の教育
- 社員の「劣等感」の増長
- 社員の「えらくなりたい執着心」の扇動
です。
その結果、
社員をより一層あくせく労働させることが可能になります。
しかも大しておカネをかけずに。
いやー、本当よくできている。
資本家(会社側)あっぱれ、といったところです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
余談
「昇格試験を実施する理由=人材の見極め」とか書いてある記事ありますが、
これは経営者が社畜を騙すためのウソです。
自社で複数年働いている社員に対して
人材の見極めなんてとっくに終わっていないといけません。
自社で働いたことのない中途採用人材であれば、
見極めるために何かしらの試験が必要です。
しかし、自社の社員であれば素行も十分に知れており、
黒い噂も白い噂も出回っているので
「人材を見極めるためだけに」試験なんてする必要はないのです。
仮に普段の素行から計り知れない特徴があったとしても、
それは試験をやっても表れません。
それに本当に「人材を見極めたい」のであれば、
普段の素行をもっともっと注意深く観察すれば良いのです。
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